「吃る」=”どもる”ということです。経験されたことない方にとっては、理解しがたい部分があると思いますが、もし、吃音症の人がいても、馬鹿にしないであげてください。気にしていないフリをしてください。間違っても笑ったりしないでください。
漫画の世界では、よく緊張するとき吃ったりしていますよね。
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼくは~」、「あ、あの~」とか。
まさにこれのことです
「ちゃんと脳の伝達が口元に伝わってないから」らしいです。
そう考えると、かなり重症ですよね・・。
安心してください、これはちゃんとした病気(言語障害)ですから・・。
そして私もその一人です。
冷やかしでも何でもありません。
「タ行」の他にも、そのうち「サ行」までも出なくなってきました。
そして「マ行」もでてこない・・。
そんなときだってあります。
正直、自分が嫌になります。
仕事したくなくなります。というか仕事に支障がでます。
電話を多くする職場だと地獄です。
対面での会話ならまだどうにかカバーできますが、電話だと何のジェスチャーもできないため、無言になります。
言い回しができる語句ならまだしも、言い回しができない人の名前とか場所の名前など固有名詞を発しないといけないときはかなり大変です。
おかしな話ですよね。
私も吃音症の人と電話したことがありますし、それこそ無言したことも、無言にされたこともあります。身にしみて苦しみがわかります。受け取った側は「待つ」しかないのです。それか、相手を気遣ってあげて何か語りかけてください。
例えば、「△△さんはいらしゃいますか?」と呼び出したいときでも、名前が、「さ行」や「た行」の人であると大変です。名前のところで言葉が出ないのですから。私は地獄でした。それだけで緊張していましたし、何度も倒れそうでした。
吃音症を知らない人は、
・「緊張しているだけじゃない?」
・「ゆっくり話したらいいんじゃない?」
などとアドバイスをします。
気遣ってくれてとてもうれしいのですが、実はこれでは解決しないんです。
ちなみに私は、職場の皆さんへはカミングアウトしていません。適当に冷静を装っています。
地元の友達へはカミングアウトしています。
「タ行が言えないときがある。最近サ行も言えなくなってきたからとうとうやばい」と。(苦笑)
いつ、どこでもドモります。
・緊張していないときでも現れます。例えば家族の前でも。
・電話越しでも現れます。
・目の前の友達とおしゃべりしているときでも現れます。
何なんでしょうかね~・・。
ふとしたときになんで「○○」って言えなかったんだろうと思い悩みます。
吃音症の人は、例えば「タ行」が言いにくかったりします。
ドモる前に、脳が「無理=言えない」と判断します。だからドモるのではなくて黙り込みます。結局おかしな会話になったりします。「なんか変な人」と思われます。
結論からいうと、実は完治方法は未だに不明です。
かつて私は、明らかに自分の異常に気付いて、ついにネットで検索しました。
『た行 でない』と。いっぱいありましたよ。検索結果が。
私と同じように苦しんでいる方は他にもいるんだと思うと安心しました。そこで吃音(ドモり)の解消法を探したり、知恵袋なんか見たりしました。
しかし、「完全に吃音症を治す方法はない」というのが答えでした。
つまり、吃音症になったからには、どうにか自分で努力するしかないのです。
その”努力”の中で自分にあった解決方法や、”リハビリ”をしてください。
・別の言葉で表現する
<例>
・何でいつもそうなの?→何で毎回そうなの?
・昨日何食べた?→昨日あのあと何食べた?
※これは吃音症の誰もがやっていることだと思います。日常の会話ではだいたいこれで突破できたりします。ただ、この方法だと名前などの固有名詞を発音できません。
・別の言葉を挟んでみる
<例>
・電話がありました。→電話がいま、ありました。
・順番を逆にする
<例>
・孫は何歳ですか?→何歳ですか、お孫さんは?
・昨日あのあと何食べた?→昨日何食べたあのあと~?
・「あー」とか「えー」とかつけてみる
→「マウス」と発音できないと感じたら、「え~マウスですとか~」と言います。「えーっと、」とかでもいいです。近くにいる人を呼ぶときはよくこの方法を使っていました。これは何か読み物をするときにも使えます。
私はどのように吃音を回避し、リハビリし、克服したのか。
結論から言うと、私はほぼ吃音から脱出しています。
経験を基に参考となる情報を書かせていただきますが、あくまでも私の解決方法なのであしからず。
・小さい声で考えてるフリをしながら呼ぶ
→よくやりました。「たーなかさんー」というように資料に目を通し(下を向き)ながら呼びます。気を使っているフリをして「た~・・・なかさーん。」と呼ぶときもいっぱいやりました。
・その人のそばで「すみません」と呼びつける
→名前が呼べないと感じたら、そもそも名前を呼びません。
・その人のそばでいきなり要件を言う
→「え?わたし?」みたいな顔されますが、そこは仕方ないです。喧嘩両成敗です。
・頭でカラオケ画面を想像し、目をつむったつもりで、その字幕通りに読む
→実は吃音症は、カラオケのときは普通に発生できます。(理由はわかりませんが・・。)
カラオケ画面を想像してください。字幕で「たんとうしゃ」(例)と表示されていることを想像してください。
結構言えたりしますよ。
・ローマ字表記を想像して読む。
→実はこの方法は、意外と知られています。私も初めて見たときは「なるほど!!」と思いました。
こんな感じで会話が成立すると、それだけで安堵します。
そして、たまたま言いにくい言葉(サ行やタ行)が言えたりすると、
「あれ、ちゃんと言えたぞ。もしかして治ってる??」と勘違いしてしまいます。
次の会話で失敗すると、また落ち込むんですけどね。。
▲話す前にロープレしてみる
→それでも無理なときはもちろんある
▲徐々に声を大きくしてみる。
→「田中さん」と呼び出したいときは、口元で「田中さん」と連呼します。
小さい声なら言えるのがまた不思議ですよね。
そして、口元が慣れてきたところで、「田中さん!」と言う方法。
う~ん、、成功率は30%くらいでしょうか。緊張すると、頭や口元がリセットされてしまうようです。
一度は試してみてもいいと思います。
▲体の反動を使ってみる。
「タ行」が言えなくなったら、前のめりになってでも発音してみます。
ただ、たとえこの時成功したとしても、改善される感じはしません。
その場だけ「言いきった!」という、己との戦いに勝つだけです。
さて、吃音症の方はようやく私が経験者であることが分かったと思います。
そして、吃音症になったことない人は「ちょっぴりかわいそうだな」と思っていただけているかと思います。(苦笑)
一時的な回避方法よりもリハビリに力を注ぐことをオススメします。やっぱりリハビリするしかないと思います。
・大きめの声で話してみる
まずは、「自分の声が小さいのではないかと疑ってみてください。
ノドで喋ろうとしていませんか?ノドで喋る(発声する)には限界があります。声は前に出すように普段から意識してみます。少し感情論ですが、これが私の吃音症解消方法のひとつです。
私なりの統計ですが、吃音症の方は、声が小さい傾向があります。発症したから、声が小さくなったのではなく、声が小さいから発症したのではないかと私は思っています。(勝手な推測で失礼なことを言って申し訳ありません。)
ですから、機会(コンビニや、ファミレスなど)があるときは、大きめの声で話してみましょう。
「お疲れさまでした」と大きな声にで言ってみるのもいいかもしれませんね。
・苦手だと思う言葉を、暇なときに連呼してみる。
「田中さん」「松村さん」「マウス」「飛田新地」・・とかなんでもいいのですが、苦手だと思う言葉は家に帰ってからでも、自転車乗りながらでも連呼して脳と口に覚えさせます。苦手意識をなくさせるといった方がいいかもしれません。これはかなり効果的です。そして可能なら状況を想定してみてやってください。職場でいつもドモってしまうなら職場にいるつもりでやってみるなど。「田中さん」に話しかけられないのなら、田中さんに近づいているつもりで発してみること。
また、吃音症では一言目が発せないという特徴があります。その言葉から会話をスタートできないということです。つまり一言目に成功したらその後は大丈夫ということです。
「た、た、た、た、ハレルヤ、ハレルヤ」
これは実は私のリハビリの言葉です。
ハキハキとこの言葉を連呼します。
暇なときはやっているので、もしこのリハビリをやめたらどうなるのかはわかりません。
吃音が治るかもしれないし、治らないかもしれないです。
色々と書きましたが、自分なりの解決方法を見つけてください。
努力です。(^^)
そして、自分が克服できたときに同じように苦しんでいる人を救ってあげてください。
・どんな手段(回避方法)を使ってもいいから、”小さな成功体験”をいくつもいくつも積み重ねる。
・「自分は○行が話せないんだ」という苦手意識を持たない。「そんな苦手な行(言葉)は無い」と思う。
・自分なりのリハビリを見つける。そしてやる!
・声が小さい人(ノドで話しているような人)は普段から大きめは声で話す。
以上です。
なにかのお役にたてれば幸いです。
yamatunes