副業での労災はどうなる?

副業での労働災害(通勤災害・業務災害)についてです。

 

主に「本業のあとにアルバイトをしている人」向けの内容になっています。

 

まずは、基本的なことを整理しておきます。


 

●A社での労災の範囲

・自宅からA社まで(通勤災害)
・A社から自宅まで(通勤災害)
・A社にて勤務中(業務災害)

 

ただし、買物をするために帰路から外れた場合は支給されません。
※これはみなさん御存知のとおり

 

通勤経路を会社に提出している場合は十分に注意しておく必要があります。
”新しい道ができた”、”自転車通勤にした”などの理由で通勤経路を変えた場合は、その都度会社に報告(提出)した方が万が一のことを考えると良いです。

 

●B社での労災の範囲

・自宅からB社まで(通勤災害)
・B社から自宅まで(通勤災害)
・A社からB社まで(通勤災害)

・B社にて勤務中(業務災害)
※平成18年3月31日まで、「A社からB社への移動」は通勤災害に含まれていませんでした。

 

A社からB社へ直接向かったときは、「B社の通勤災害」にあたります。

この場合も寄り道をした場合は支給されません。

 

●支給にあたって(A社での労災)

 

A社での業務災害や通勤災害は、B社には何の関係ありません。B社が大手企業の場合、組合などから『弔慰金・見舞金』などが出るかもしれませんが、何かしら手当があることは無いといってよいでしょう。A社での業務災害などでB社で仕事できない期間は、B社では「欠勤」扱いとなります。

 

 

●支給にあたって(B社での労災)

B社での業務災害や通勤災害は、A社には何の関係ありません。おそらくA社でのお給料の方が多いかもしれませんが、給与保証はB社の給与から算出されます。第一に、B社の労災を使うことを考えましょう。

 

多くの場合、正社員採用のところでは「兼業の禁止」を原則としています。副業中にケガをしてA社に長期間出社できなくなれば、解雇となるかもしれません。場合によっては嘘でも「病気」とか言っておいた方がいいかもしれませんね・・。

 

労災を使うことのメリット・デメリットをよく問われるので、簡単にまとめておきます。

まず、労働者が労災を使うことのデメリットは何ひとつありません。ご安心ください。

 

●労災を使うことのメリット:

・タダで病院で治療できる(行くだけ面倒だが・・)

・休業補償として、給料の約8割がもらえる

 

●労災を使うことのデメリット:

・労働者にはない!

・使用者側には保険料が上がることがあったり、労働基準監督署から調査が入ったりします。”調査”とは、危険な作業をしていないかとか、再発防止策はないかなどを調べられるということです。当然、会社側としては避けたい事案でしょう。そういう意味では、労働者も労災を使うことのプレッシャーはあるかもしれませんが、大企業(使用者が近くにいない)であれば問題ないでしょう。労災を使いましょう。

 

●労災を使うときの手順は?

・ケガした

・病院に行く

・労働基準監督署に行って書類を書く。その場で出す。

・労働基準監督署が労災として扱うか調査する

・労災が認められると、保険給付(治療代+休業保証)が支給される。

 

「労災として扱うか」ですが、因果関係が認められれば「労災」になります。労災として認められなかった場合は、自己負担で「健康保険証」を使って治療するしかないです。(会社としては好都合な話)

 

●A社の帰り道とB社の帰り道が同じ

一番あり得る話かもしれません。A社を勤務後、B社に出社し、その帰り道(A社、B社の通勤経路)に事故にあってしまった場合はどうなるでしょう。この場合はB社の通勤災害が適用されます。

 

まず、通勤災害の時間の制限は「概ね2時間以内」です(遠方から通勤している場合を除く)。B社で勤務すれば2時間は経過しているでしょう。仮にB社からの(謎の!)提案があった場合でも、A社での労災は認められない可能性が大きいので諦めましょう。(笑)

 

 

●最後に

遅かれ早かれ、A社、B社ともに兼業をの許可をとっておくとよいでしょう。万が一、労災を使うとなると、トラブルが起きにくくなります。もし、許可を完全にとっていなくても、口頭(できれば、証拠の残るメールとか)で説明しておきましょう。黙認しているようであれば、万が一のことを考えるとこちらが有利になってきます。

 

私はA社(本業)へは許可をとっています。許可の取り方に際して、少しでも参考になればと思います。もちろんですが、許可をとるには理由を明確にしておく必要があります。

家庭の事情でA社だけのお給料では生活が苦しくなっている(貯金を削っている)

A社へは迷惑をかけない(寝坊しない、居眠りしない、残業もする)

・土日だけ月に1、2回行けるだけでいい(嘘だけどw)

・社内では誰にも言わない(←会社にはコレを言われた)

・半年だけ許してほしい

などなど。

 

~余談~
・忘れ物をとりに帰って事故にあっても「通勤災害」にはならない。
・原因が自分にある場合、通勤災害にならない。
・好意で人助けした場合であっても「通勤災害」にはならない
※ただし、線路上に落ちてしまった人を助けた場合は「通勤災害」と認められたケースがあり
・介護で病院を訪れた場合や、日用品購入のため、最低限の寄り道した場合も認められるケースがあり

 

社会通念上”必要性””妥当性”が認められれば通勤災害は認可されるようですね。